言葉をたよりに想像してみる2010年08月05日

少し前、
宮崎駿さんが、
『熱風』 (2010/7 株式会社スタジオジブリ)の「特集 iPad」のなかで、
編集部のインタビューを受け、
刺激的(?)な発言をされていることが話題になっていました。
 (「ぼくには、鉛筆と紙があればいい」 文責…宮崎駿)

実際にその『熱風』を読む機会があったので、全文読んでみました。

宮崎さん、編集部さんが手にしているiPadと、その操作の様子を見て、いきなり

 “嫌悪感ならあります”

と発言。
思っていた以上に、不機嫌な始まりにびっくり。

が、途中、編集部さんが、
 
 “屁理屈のように聞こえますが”

と返す場面もあり、

そんな白熱したインタビューがどんどん面白くなっていきました。

宮崎さんの苛立ち(とも感じました)はよくわかります。

 “世界に対して自分ででかけていって想像力を注ぎこむことをしないで、上前だけをはねる道具としてiなんとかを握りしめ、さすっているだけ…”

の発言には、うなってしまいました。

その通り!

そうだけど。
でも、今は、
子どもたちに、
その「想像力」さえ育てる方向に行っていないような気がしているので、私。

事態はもっとずっと先へと進んで変化しつつあって、
問題は、iPadどころの話ではないような気がするのです。

で、インタビューの最後は、

 “あなたは消費者になってはいけない。生産する者になりなさい”

という言葉で締めくくられていて、
なんだ、これって「あなた」(編集部さん。つまりは身内)への苛立ちだったんだ…と思い、
だったらそんな過剰に反応しなくてもいいんじゃない?と思いました。


(V)o¥o(V)


さて、その宮崎さんが選んだ50冊もの「岩波少年文庫」の紹介展示が開催中です。

 「宮崎駿が選んだ50冊の直筆推薦文展」 
            西武池袋本店 (写真はチラシ)

もっと長く展示しているのと思ったら、
8月4日から8日までのたったの5日間。
これじゃあ行く時間がとれそうにありません~。


「想像力」を養うのに読書はもってこいと思います。

岩波少年文庫に限らず、
というか、私、子どものころ、
岩波少年文庫をぜんぜん読まずに育ちました…。
そういうものがあったという記憶すらなく。
絵本もそうですが、
そういうちゃんとした児童文学を読んで大人になっている人を前にすると、
私はなんとも申し訳ない気持ちになってしまうのです。
が、
だから、
なんだっていいので、
どなたも、
言葉がたよりの想像力の旅を、
この夏の暑さしのぎに楽しんでいただけたらと思います。

私はこれから、楽しみにしていた本を読み始めます。