期待通り。すぎる。のはつまらない。2013年01月25日

読む前から「きっと面白いだろう」と思っていました。


 『幕が上がる』 平田オリザ 講談社 2012/11 (写真)


高校の演劇部を舞台にした青春小説です。


実際、面白かったです。

正しい青春小説…と思いました。

課題図書とか推薦図書とかなりそうです。

高校の司書さんとか、
すごいはりきって生徒さんに紹介しそうです。

演劇部があれば、部室図書常備本になりそうです。


なのでそれ以上思うことはないのですが、
逆に、
それがちょっと面白くないと思って読了しました。


読みやすいので、
加速度的に読み進んでいき、
そのうち、
物語ではなくて、まるで記録を読んでいるかのような気分になりました。

が、
いまどきの小説はそういう読みやすさが必要なんでしょうね。


それから、
主人公の変化(成長)と、
それによって変わっていく演出やセリフが見事で、
感動しながらもどこかで冷めてもいきました。


そんなふうな変化(成長)を、
大人は若い人に求めるわけです。よ。

大人って、やぁね。 と思ってしまう私。



宮澤賢治の「銀河鉄道の夜」が使われたり、
谷川l俊太郎の「二十億光年の孤独」が出てきたり、
して、
それらが私を懐かしい景色に連れ出してくれたと同時に、
もうちょっと勘弁してくれへんかなぁ。と、
うんざりもしてしまいました。


なんででしょうね。


私たちが若いころに影響を受けたものが、
今の若い人たちにも影響を与えるとは限らない。

ということをまざまざと思うことがよくあるからかもしれません。

もちろん、
世代を超えて影響を与えるものはあって、
「銀河鉄道の夜」も「二十億光年の孤独」もそうであるのでしょうけど。


そんなとても正しい感じが、
つまらんなぁと思えてしまったのかもしれません。


私には。