聴くのは〈私〉2010年04月27日

読書会のテキストに選ぶと、白熱しそうです。

 『悲しみを聴く石』 アティーク・ラヒーミー
              関口涼子/訳 白水社 2009/10

著者のプロフィール
 1962年アフガニスタン生まれ。
 1984年フランスに亡命。
 映像作家・小説家。
 
や、

原題「サンゲ・サブール」
 ペルシア語で「忍耐の石」。

の意味を知って読んでみたくなった小説です。

「小説」というよりは「戯曲」のようです。
独白劇。

負傷し意識なく横たわる夫を介護しながら、
やがて「女」(名前なし)は夫に秘密を打ち明けていきます。

その告白は、イスラム圏(に限らない)の女性の虐げられてきた現実です。
私はその告白にたじろぐことはありませんでした。
「女」の現実を知らず「男」は何を「女」に求めてきたのか、
「女」の告白は、それを暴きます。

けれども、結末には納得いかず。

「アフガン亡命作家による衝撃作」とか、
「衝撃のラスト」とか、
この小説を「衝撃」という言葉が飾る理由はわからなくもないのだけど、
結末には、深読みが必要になり、
読了後、しばらく考えてしまいました。

そして、
女は「石」のような夫に聞かすように告白を続けるのですが、
実はそれって、自分にむかって聞かせていたのだと思いました。

心に秘めていることを、言葉にすることの意味。
言葉にすることで、秘めているとも思わなかった自分の本心が見えることだってあります。

ああ、私ってそう思っていたんだ。

と、自覚できることが。

とすれば、この結末も理解できそうです。


でも。

と、思います。

それが「女」の望み? と。
同じ「女」の私としては、更なる考察が必要です。



そんなことをもやもやと考えながら、本をめくっているうち、
著者の写真が目に入りました。



(゜o゜) (゜_゜) (*_*) (+_+) (~_~;) (=_=)



衝撃、でした。



でも、それはそうだったかも。。。。

そしてもう一度読み直したくなりましたが、、、。
いや、どなたかと話しがしたく。
でも、話す相手は選びたくもあります。