読みましたっ! ― 2011年02月19日

面白かったです。
『ユダヤ人の起源
歴史はどのように創作されたのか』 (写真)
シュロモー・サンド
高橋武智=監訳 佐々木康之・木村高子=訳
浩気社=発行 ランダムハウス講談社=発売 2010/3
あいかわらず自分の無知無教養をさらけ出す読書となりましたが、
それさえも快感、となってきました。
わからないことが前提なので、
見覚えのある単語や人名に出会っただけで興奮です。
ユダヤ教
ユダヤ人(民族)
シオニズム
イスラエル
それらについて疑問、というか、なんで?と思っていることの一つ一つに、明解な(とは言い難いけど)解説と回答を読み拾うことができたような気がします。
“いかなる歴史も、まず第一に、それが書かれた時代の産物である”
という、イタリアの哲学者ベネデット・クローチェの言葉は、
シオニストのいう「ユダヤ人の歴史」に限らず、
例えば、
「日本書紀」や「古事記」にも言えるしな…と思ったりして、
いろいろな意味で、
私の読み散らかし読書への示唆なり刺激なりも受けました。
“世界中のユダヤ人のうちのシオニズム共鳴者たちは(中略)イスラエルと一体化しつづけ(中略)しかし、このように現象的には同一化しても、先にみたように、彼らはけっして、自分たちのネイションの祖国を捨てて、イスラエルに移住しようとはしない。なぜなら結局のところ、彼らは、パレスチナ系イスラエル人が自分たちの祖国自体で日々経験しているような、日常的差別やアイデンティティの喪失を、経験せずにすんでいるからだ。”
“シオニズムに同調する世界中のユダヤ人の圧力団体が大挙して聖なる約束の地に移住してくるほど、イスラエルの力にとってありがた迷惑なことはありえないだろう。それよりも、これらの団体が西欧世界の権力やメディアの中枢近くにいてくれる方がはるかに好ましいのだ。なによりこういうユダヤ人自身が、豊かで居心地のよい、自由な「追放の地」に居つづける方を望んでいるのである。”
460ページを超すこの本の最終部分でのこれらの言葉は印象的でした。
聖書の時代から語られる「歴史」の先にある現在。と、
さらにその先へと続くイスラエルの未来。への思い。
が、熱く語られていきます。
著者シュロモー・サンドは、イスラエルの歴史学者です。
この本の原書は2008年に出版され、
イスラエルでベストセラーになり、
世界15カ国で翻訳されているそうです。
ヘブライ語からフランス語、そして日本語へと訳され、
私にも(どうにかこうにか)読める本となったこの本のことを、
しみじみと、すごい本だなぁと思いながら読了しました。
そして最後にこの言葉を。
“私は本が世界を変えうるとは考えていないが、世界が変わりはじめるとき、世界はこれまでと異なる本を求めるものと信じている。”
これは著者による「日本語版への序文」で書かれています。
この本のショッパナ。
私はこの言葉の一撃にやられてしまいました。
そして、もうぜったい読了してやるぅ!と誓ったのでした。
“わたしは本書がそうした本のなかに数えられることを希望している。”
「日本語版への序文」はそう締めくくられています。
『ユダヤ人の起源
歴史はどのように創作されたのか』 (写真)
シュロモー・サンド
高橋武智=監訳 佐々木康之・木村高子=訳
浩気社=発行 ランダムハウス講談社=発売 2010/3
あいかわらず自分の無知無教養をさらけ出す読書となりましたが、
それさえも快感、となってきました。
わからないことが前提なので、
見覚えのある単語や人名に出会っただけで興奮です。
ユダヤ教
ユダヤ人(民族)
シオニズム
イスラエル
それらについて疑問、というか、なんで?と思っていることの一つ一つに、明解な(とは言い難いけど)解説と回答を読み拾うことができたような気がします。
“いかなる歴史も、まず第一に、それが書かれた時代の産物である”
という、イタリアの哲学者ベネデット・クローチェの言葉は、
シオニストのいう「ユダヤ人の歴史」に限らず、
例えば、
「日本書紀」や「古事記」にも言えるしな…と思ったりして、
いろいろな意味で、
私の読み散らかし読書への示唆なり刺激なりも受けました。
“世界中のユダヤ人のうちのシオニズム共鳴者たちは(中略)イスラエルと一体化しつづけ(中略)しかし、このように現象的には同一化しても、先にみたように、彼らはけっして、自分たちのネイションの祖国を捨てて、イスラエルに移住しようとはしない。なぜなら結局のところ、彼らは、パレスチナ系イスラエル人が自分たちの祖国自体で日々経験しているような、日常的差別やアイデンティティの喪失を、経験せずにすんでいるからだ。”
“シオニズムに同調する世界中のユダヤ人の圧力団体が大挙して聖なる約束の地に移住してくるほど、イスラエルの力にとってありがた迷惑なことはありえないだろう。それよりも、これらの団体が西欧世界の権力やメディアの中枢近くにいてくれる方がはるかに好ましいのだ。なによりこういうユダヤ人自身が、豊かで居心地のよい、自由な「追放の地」に居つづける方を望んでいるのである。”
460ページを超すこの本の最終部分でのこれらの言葉は印象的でした。
聖書の時代から語られる「歴史」の先にある現在。と、
さらにその先へと続くイスラエルの未来。への思い。
が、熱く語られていきます。
著者シュロモー・サンドは、イスラエルの歴史学者です。
この本の原書は2008年に出版され、
イスラエルでベストセラーになり、
世界15カ国で翻訳されているそうです。
ヘブライ語からフランス語、そして日本語へと訳され、
私にも(どうにかこうにか)読める本となったこの本のことを、
しみじみと、すごい本だなぁと思いながら読了しました。
そして最後にこの言葉を。
“私は本が世界を変えうるとは考えていないが、世界が変わりはじめるとき、世界はこれまでと異なる本を求めるものと信じている。”
これは著者による「日本語版への序文」で書かれています。
この本のショッパナ。
私はこの言葉の一撃にやられてしまいました。
そして、もうぜったい読了してやるぅ!と誓ったのでした。
“わたしは本書がそうした本のなかに数えられることを希望している。”
「日本語版への序文」はそう締めくくられています。
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