悩ましい2012年04月18日

2003年9月に、
国書刊行会から単行本で出ていたようなのですが、
かすりもしませんでした。

今年1月に、文庫本となり目にとまりました。

そして読了。

出会ってしまった。

というのが直後の感想です。


 『ラピスラズリ』 山尾悠子 ちくま文庫 2012/1/10 (写真)


読みながら、
恩田陸の「常野物語」をちらりと思い出しました。

ほんの、ちらり。です。

ですが、
その、ちらり。のおかげで、
『ラピスラズリ』の物語世界に入ることができたように思えます。

ときどき、
不可思議に羅列される言葉の遠心力に耐えかねて、
世界から放り出されそうになりながらも、
とりあえず最後まで、
覗き見ることができたのも、
これまでの読書体験の積み重ねがあったからだろうと…。



つまり、
読了できた。 
ということがうれしいのです。


でも、まだまだ。

まだまだぜんぜん、世界を掴めていません。


夢、のような。

ときどき、悪夢、のような物語です。


私は誰に溶けて物語世界に漂いたいのだろう。
と思い思いしながら、
視線が振りまわされていきます。

振りまわされ混乱しつつ、
それでも見続けられたのは、
始まりの物語「銅版」のイメージが強烈にあったからでしょう。


う~ん。やっぱりまだまだ。

そして、この世界に、
どっぷりつかってひたってふぬけていたいです。



こんなに小さくて軽い文庫本ではなくて、
美しい装丁の単行本をずっしり開いて物語につかりたい…。

ということで、
国書刊行会版も手に入るようですが、
こちらの文庫は補筆改訂版。

読むなら文庫。
持つなら単行本?




悩ましすぎる。。。