女子二人2014年03月29日

ひさびさに、
ぽっかりとした週末です。
東京はお花見日和のいいお天気。
と、
朝からラジオが繰り返し言っています。

いつもの図書館の桜はどんな様子でしょう。
散歩がてらに行ってみようと思います。
が、
その前に読了本のご紹介。


今回は、
二人の女子の物語を続けて読みました。


 『てらさふ』 朝倉かすみ 文藝春秋 2014/2 (写真↓)

「てらさふ」は“自慢する”“見せびらかす”という意味。
と、説明が載っています。

二人は中学からの友達。

「弥子」と「ニコ」。

それぞれの視点で物語は語られていきます。

それはある企みの顛末です。

読書感想文で賞をとり、
小説を書き、
芥川賞を受賞する。

という企み。

なので、
業界的に、面白い、というか、
辛辣にも、滑稽にも読める描写がたっぷりです。

更に面白いのが、
二人の女子が共に小説を書いているのではないところ。
一人が書き、
もう一人が「作家」になってメディアに登場していきます。

その他にも、
企みのカラクリはあって、
それらが絡んでいくにつれ、
企みは複雑になり大ごとになり…で、
物語は加速していくのですが、
その底にあるのは、
二人の女子の、
「女子」としての物語です。

私はそっちが面白かった。

単純に。


それから次に読んだのは、

 『あたらしい子がきて』 岩瀬成子/作 上路ナオ子/絵
                    岩崎書店 2014/2 (写真↓)

書名と表紙の絵から、
仲良し女子の友達に、
新しい友達がやってきて、
女子二人の関係が揺れるお話しかな?
と思っていたのですが、
違いました。

こちらの二人の女子は姉妹。

「みき」と「るい」。

お姉ちゃんの「みき」が語ります。

物語は、お父さんと三人の暮らしの様子から始まり、
「お母さんは出て行った」と言うのですが、
違います。

お母さんは三人目の子(男の子)を生んだあと、
実家に里帰り中なのでした。

でも、
お姉ちゃんは、そんな気分でいるのです。

お母さんが弟を連れて帰ってきたあとも、
そんな気分でいます。

弟が生まれて、
母親を取られてしまったように思う二人のお姉ちゃんたちの様子が、
上のお姉ちゃんの視点で語られます。

家族の変化が、
二人のお姉ちゃんを変え、
見えてくるものが増え、
世界が広がり、
成長していくのです。

それはわずかな時期の物語です。

でも、語られていることはたっぷり。

先に読んだ本の半分もない物語ですが、
私には、
こっちの本が読み応えがあったように感じています。


図書館でも書店でも、
児童書コーナーに置かれるんやろけど、
もう「女子」ではないと思う女性にも、
もちろん、男性にも読んでもらえるといいなと思う本でした。



そして、
この二人の姉妹も、
やがて、
「女子のタクラミ」を持つようになっていくんでしょうかねぇ。


がんばれ!女子!

がんばる!