170ページから ― 2014年07月05日

『バージェス家の出来事』 エリザベス・ストラウト
小川高義/訳 早川書房 2014/5 (写真)
『オリーヴ・キタリッジの生活』が面白かったので、
同じ著者の新刊と知って、
詳しい内容を知らぬまま、
さっそく読み始めました。
が、
なんていうの?
起きた事件に戸惑い、
読み続ける前に、
そのような事件を描いている小説を読んでいる私。
に、慣れる。
いや、違うな。
この本は、
そのような事件を起こした人物とその家族の物語なのだ。
と、心の準備をする。
ことに時間をとってしまいました。
故郷で暮らす妹から
「息子が事件を起こした。助けてほしい」
という電話を受けた兄弟が、
妹とその息子のために帰郷することから物語は始まります。
その息子が起こした事件に戸惑ったのです。
だって、
冷凍した豚の頭を、
ラマダンの祈りの時間にモスクに投げ込んだというのです。
ヘイトクライム
そのような事件が起きる背景について、
国や町や個人の事情について、
理解したり了解したり、
想像したり、考えたり…。
そのような物語なのねこの本は…。
ということを思ってぼやぼやしてしまいました。
そしたら、
図書館の返却期限日がきてしまいました。
次に予約している人がいたので、
貸出の延期をすることはできません。
このところ、
読めない本を途中放棄することに何の躊躇もないようになっていましたが、
なんでだかこの本は、
最後までちゃんと読みたい!と思ったので、
本を返した直後に、
すぐまた貸出予約をしました。
予約の順番は3番目。
そんなたくさんの人が予約してなくて、
ありがたいような、もったいないような。
そして案外早く、再び借りる順番がきました。
さぁ!
続きを読む心の準備はもう充分にできています。
続きは、170ページから。
ところが、
物語は、というか、事件の影響は、
カーペットにこぼしたワイン(赤でしょうね)が、
じわじわと染みて広がっていくみたいに、
この人も、
あの人も、
その人のことまで?
と思うほどに描かれていき、
事件も、
事件を起こした当事者も背後に隠れ、
それを助けるために動いていたはずの兄弟の問題が、
思わぬ状況から剥き出しになってきました。
それぞれの人生や家族の問題は、
その事件が起きる前からあったことですが、
事件をきっかけに、
触れずにいた過去と向き合うことになってしまったようです。
そしてそれを、
なかったことにしてはおけなくて、
吐露し、
暴露することで、
生活を壊し、
人生を激変させていきます。
おお!
なぁんと、まぁ!
でも、
どこかしら他人事ではありません。
もちろん、
当事者ではありません。
でも、
なんでだかちょっとした関係者のような気がしています。
私の生活(人生)だって、
いつどこでどう変わるかしれへんし…。
そんなことをつらつらと考えさせてくれます。
私のこと(問題)として。
そしてまたこうも思わせてくれます。
人生(物語)は複雑。
だから、
視点を変えれば、
別の景色がみえる。はず。
ヘイトクライム
についてはどうかな。
事件もまた、
複雑な事情で状況が変わり、
最後には、
とある理由で収束するのですが、
ちょっと消化不良気味。
でも、これからも出会うと思います。
児童書を含めて。
人生は、複雑。
だからこそ、豊か。
彼らも、
私も。
小川高義/訳 早川書房 2014/5 (写真)
『オリーヴ・キタリッジの生活』が面白かったので、
同じ著者の新刊と知って、
詳しい内容を知らぬまま、
さっそく読み始めました。
が、
なんていうの?
起きた事件に戸惑い、
読み続ける前に、
そのような事件を描いている小説を読んでいる私。
に、慣れる。
いや、違うな。
この本は、
そのような事件を起こした人物とその家族の物語なのだ。
と、心の準備をする。
ことに時間をとってしまいました。
故郷で暮らす妹から
「息子が事件を起こした。助けてほしい」
という電話を受けた兄弟が、
妹とその息子のために帰郷することから物語は始まります。
その息子が起こした事件に戸惑ったのです。
だって、
冷凍した豚の頭を、
ラマダンの祈りの時間にモスクに投げ込んだというのです。
ヘイトクライム
そのような事件が起きる背景について、
国や町や個人の事情について、
理解したり了解したり、
想像したり、考えたり…。
そのような物語なのねこの本は…。
ということを思ってぼやぼやしてしまいました。
そしたら、
図書館の返却期限日がきてしまいました。
次に予約している人がいたので、
貸出の延期をすることはできません。
このところ、
読めない本を途中放棄することに何の躊躇もないようになっていましたが、
なんでだかこの本は、
最後までちゃんと読みたい!と思ったので、
本を返した直後に、
すぐまた貸出予約をしました。
予約の順番は3番目。
そんなたくさんの人が予約してなくて、
ありがたいような、もったいないような。
そして案外早く、再び借りる順番がきました。
さぁ!
続きを読む心の準備はもう充分にできています。
続きは、170ページから。
ところが、
物語は、というか、事件の影響は、
カーペットにこぼしたワイン(赤でしょうね)が、
じわじわと染みて広がっていくみたいに、
この人も、
あの人も、
その人のことまで?
と思うほどに描かれていき、
事件も、
事件を起こした当事者も背後に隠れ、
それを助けるために動いていたはずの兄弟の問題が、
思わぬ状況から剥き出しになってきました。
それぞれの人生や家族の問題は、
その事件が起きる前からあったことですが、
事件をきっかけに、
触れずにいた過去と向き合うことになってしまったようです。
そしてそれを、
なかったことにしてはおけなくて、
吐露し、
暴露することで、
生活を壊し、
人生を激変させていきます。
おお!
なぁんと、まぁ!
でも、
どこかしら他人事ではありません。
もちろん、
当事者ではありません。
でも、
なんでだかちょっとした関係者のような気がしています。
私の生活(人生)だって、
いつどこでどう変わるかしれへんし…。
そんなことをつらつらと考えさせてくれます。
私のこと(問題)として。
そしてまたこうも思わせてくれます。
人生(物語)は複雑。
だから、
視点を変えれば、
別の景色がみえる。はず。
ヘイトクライム
についてはどうかな。
事件もまた、
複雑な事情で状況が変わり、
最後には、
とある理由で収束するのですが、
ちょっと消化不良気味。
でも、これからも出会うと思います。
児童書を含めて。
人生は、複雑。
だからこそ、豊か。
彼らも、
私も。
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