がんばる少女たち2009年12月28日

クリスマスが過ぎると、
とたんに年越し・お正月ムードになります。
我が家もクリスマス飾りを片づけて、
お正月飾りを出す模様替えで気忙しいのですが、
今年は、
毎年お世話になっていたお花屋さんがなくなっているので、
どこで飾りとお花を調達しようかと思案中です。
あとは花を生けるだけの花器も用意して、
とりあえず、
お正月を迎える準備は完了しました。
大晦日までの夕食と、年越しの献立もたてて、
いざ!食材の買い出し!
献立が決まると落ち着きますねぇ。
といっても、普段とあんまり変わらない献立なんですが・・・。

お正月の準備はまだ他にもあったような気がする…けれども、
本日の予定は終了!ということにして、
ようやっと本を開くことができました。


 『ドラゴンキーパー 月下の翡翠龍』 キャロル・ウィルキンソン
                        もきかずこ/訳 金の星社 2009 (写真)

『ドラゴンキーパー』シリーズの待望の第3巻。完結編です。

 『ドラゴンキーパー 最後の宮廷龍』 2006
 『ドラゴンキーパー 紫の幼龍』 2009

第1巻が出てから3年。
まだかまだかと思ってやっと第2巻が出たのが今年2月。
そして年内のうちに第3巻が出て完結しました。

舞台は漢の国。だから紀元前のお話です。
両親に奴隷として売られた少女・ピン。
女はなれないとされていた「龍守り(ドラゴンキーパー)」という自分の運命と向き合い、
過酷な旅を続けていく物語です。


「守り」といえば上橋菜穂子さんの『守り人』シリーズを思い出します。
が、物語は『獣の奏者』シリーズを思い出させます。

その『獣の奏者』、今年夏に第3,4巻の続編が出て驚きました。

 『獣の奏者 闘蛇編 / 王獣編』 2006
 『獣の奏者 探求編 / 完結編』 2009 上橋菜穂子 講談社 

こちらはNHKのアニメにもなっている人気シリーズ。
少女エリンが「王獣」を操る術を持ったことから、王国の争いに巻き込まれていきます。
「王獣の解放」と「王国の運命」と「家族の幸せ」の中で苦悩しながらも前に進んでいくエリンの物語が完結。

それでよかったの?エリン! 

と、私は思ってしまったんですけどねぇ。


完結したといえば『天山の巫女ソニン』シリーズも今年夏に完結しました。

 『天山の巫女ソニン(1) 黄金の燕』 2006
 『天山の巫女ソニン(2) 海の孔雀』 2007
 『天山の巫女ソニン(3) 朱鳥の星』 2008
 『天山の巫女ソニン(4) 夢の白鷺』 2008
 『天山の巫女ソニン(5) 大地の翼』 2009 菅野雪虫 講談社

落ちこぼれの巫女・ソニンが王子と出会い、侍女となり、王宮や、隣接する国との間で起きる様々な出来事に向かっていく物語。
人にはない特別な力を持つ少女(巫女)というところで、「龍守り(ドラゴンキーパー)」のピンと似ているのですが、こちらのソニンは落ちこぼれ。
巫女としては能力不足とされ、天山を出され下界の実家に戻ります。
家族のいないピンとは違い、両親と姉に暖かく迎えられるソニンですが、やがて別の能力を持っていることから、その運命が大きく動き始めます。


どのシリーズも第1巻は2006年。
3年かけて、それぞれの少女たちの物語が完結したことになります。

3人の少女を追いかけてきましたが、
私は、ピンが一番好きでした。

ピンと、宮廷龍だったロン・ダンザと、ねずみのファと、
幼龍のカイと、
彼らの物語が、好き。

そのピンの最後の物語を読みながら、
エリンやソニンのことも思いました。

なにがどうで好きなのか、と、考えると、
一番に出てくるのが、
天下国家を語らない。ということ。

というか、それに尽きるのかもしれません。

とにかくピンは、龍のことばかり考える少女として描かれます。

皇帝と出会い、心を通わせるも、裏切られ、それでも助け許すという関係をたどり、
再び皇帝のもとに行くこともできたのに、
彼女は別の道を選びます。
その選択が、物語を大きく違えていると思います。

エリンもソニンも、大切なものを守りたいがために、天下国家の騒乱に巻き込まれてしまうのですが、
そこに、作家の描きたいもの、少女に託す思いが読み取れ、すけて見えてきそうです。

天下国家を語り、それを動かす存在としての少女に、物語を物語る醍醐味があるのかもしれません。

少女はヒロインとなり、
読者の、少女への思いも盛り上がります。

でも、私は、ヒロインにならないピンが、好き。だな。

カイの、幼さも好き。

ヒロインでもヒーローでもない、少女と幼龍は、
けれども確かに、この先もずっと、物語の中で生き続け、
おそらく、少女は女性としての生を幸せに生きるのではないかと、
それを思うだけで、読後の私は幸せを感じます。

幼龍は、今ではもう2千歳を越えて、
一人前の龍となって本当に生きているかもしれませんよ。

などと想像するのも楽しい。


今年の終わりに、よい読書ができました。

そして、寝不足…。
 

コメント

_ y0y ― 2009年12月29日 23:02

図書館に予約入れました が 年末年始で来年までお預けです。
その上最新刊は未だ入っていません。
本が来る頃には三冊目も購入されるでしょうか??

一年有難うございました。新年もよろしゅう!!
31日から暴風雪の予報の出ている新潟行きです~。

_ ながみ ― 2009年12月30日 11:29

y0yさま
こちらこそ!ありがとうございました!!
来年こそ!二人とも座って話したいですね~(^。^)

そうそう!年末年始、日本海側の天気は大荒れの予報です。
どうぞお気をつけて行ってらっしゃいませ。
そしてよいお年を!

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