もうないけどね2014年01月26日

宮澤賢治の作品が絵本になることは、
もうちっともめずらしいことではなく、
この頃は、
また出てる…。
とも思わないぐらいになっています。


いったいどれだけの絵本が出ているのか、
ちらりと思ったことはあるけれど、
考えたり調べたりすることはありませんでした。

このたび、この本を手にして、
賢治絵本の実際を見渡すことができ、
あらためて、
賢治作品ってすごいのね!と思いました。


 
 『絵本で読みとく宮沢賢治』 中川素子・大島丈志/編
                  水声社 2013/11 (写真)

裏表紙には次のようにあります。

 “現代美術研究者、日本語・
  日本文学研究者、絵本学者、
  美術館学芸員、絵本編集者
  などさまざまな分野の執筆陣
  が画像化・絵本化された賢
  治ワールドを多彩な視点から
  読みとく。”


入力しながら「絵本学者」という言葉に???となり、
しばし止まってしまいましたが、
「賢治絵本」がさまざまな専門家によって論じられていることに、
しみじみと、
すごいことになったなぁ。
と思ったしだいです。


とはいえ、
これまで各種「絵本論」を読んできた私の経験から、
絵本を文章で説明されても、
結局よくわからない私の限界と都合により、
小林敏也さんの、
「画本」シリーズについての考察をつまみ読みしただけで、
あとは、
申し訳ないけど流し読みで終わらせてしまいました。


そして、
その「画本」について語られているなかで、
結局一番印象に残ったのは次の文章でした。

 “ここしばらく、小林敏也の賢治に関わる本を新刊として入手することが困難な状況が続いていた。永らく小林の本を発行してきたパロル舎が倒産・消失したためであった。しかし最近、小林の「画本」が好学社より復刊されることになり、その皮切りとして先頃、『雨ニモマケズ』と『注文の多い料理店』が出た。誠に喜ばしい。”
 (p,129 小林敏也と「画本 宮澤賢治」 八、終わりに 笹本純 ) 


あたりまえだけど、周知の事実。   

ということを、再確認。再認識。したのでした。



小林さんの「画本 宮澤賢治」シリーズはほんとうにすばらしいです。
そして、
そんな本(絵本)が出版できたことのすごさも忘れたくはありません。

いろいろ思うこともありますが、
パロル舎というのは、
すごい出版社であったと思います。



が、
いまは、ないのでした。

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