河童の大河小説でもある!と思ふ2014年11月15日

 『かたづの!』 中島京子 集英社 2014/8 (写真)


好きな作家さんである中島京子さんの新刊、
という情報だけで手にしました。
 (そういうことはよくあります)


不思議な書名だなぁと思っていたところにこの表紙絵。

読了した今では、
絵の意味がよくわかるのですが、
最初はね、
どんなお話なんやろねぇと思いました。


しかも、
裏表紙やカバーの折り返し(そで)には河童。


カッパ?


河童。




そして読みだして戸惑ったのは、語り手です。

表紙の絵でいうと一本角の羚羊(カモシカ)がそうなんですが、
厳密にいうとちょっと違うのです。


かたづの。です。

「片角」。

つの。です。

角。



そのうえ、
これは歴史小説。とわかって読み続けていくと、
ところどころ、
不思議な話が入ってくるのでした。


それは、
昔の出来事・昔話であったり、
由来であったり伝説であったり、するので、
この小説の舞台となっている地で暮らしていたり、
ご縁のある人にとっては、
よく聞き知っていることなのね…と思ったのでした。



そして河童。です。


河童といえば遠野です。

その遠野の河童の始まりの物語。
でもありました。

それが、
私にとっては衝撃的で印象深くて面白くて魅力的な物語でした。




“本書は史実に基づいたフィクションです。”

とあります。

史実なんですね。


でも、ファンタジー。
というか、
御伽話のようでもありました。



遠野へは行ったことがありますが、
このような歴史があったことは初めて知りました。


そして河童煎餅!

食べて、
川辺孝之進(河童です)に思いを馳せたい…。