趣を生かしながら2015年02月08日

先月のことですが、
吉祥寺・トムズボックス+Galleryで、
「長新太 絵本原画展『みんなでつくっちゃった』(大日本図書)」をみました。

1974年の絵本で、
森に落ちていた新聞で動物たちがいろんなものを作っています。

原画は新聞紙のコラージュ。
使われている新聞の記事を拾い読みすると、
もう一味深い面白さがあります。

会場には、昨年出たばかりの復刊絵本が販売されていたので手にとって開いてみました。

原画を前に絵本を読む贅沢…。
に感激しつつ浸って読みました…。
が、ふと、
もとの絵本はどんなやったやろ?と思いました。


復刊絵本の奥付に
 “本書は、1974年大日本図書から発行された「みんなでつくっちゃった」を当時の趣を生かしながら装丁をしなおし復刊しました。”
とあり、
「趣を生かしながら」ってどういうこと?と思いましたし、
なにより、
復刊本のページ空間の間延びした感が気になったのです。

その後、
もとの絵本のサイズはもう一回り小さかったはず。
という話を聞き、
新旧見比べてみようと思いました。



図書館で蔵書検索すると、
もとの絵本は保存庫にあり、
復刊絵本と一緒に借りることができました。


そしたらやっぱりサイズが違いました。(写真↓)
(左:1979年第5刷発行 
    右:2014年復刊第1刷発行)

新聞紙の色も違いました。(写真↓)


面白い…。


絵本の大きさ形って、
昔からいろいろあって、
絵本を手に持って開く面白さ楽しさの一つと思っています。


小さな絵本は一人でこっそり読める感があるし、
大きな絵本はみんなで一緒に読むのも楽しそう。

実際、
読み聞かせ(という言葉は使いたくないのですが)を強く意識して作られている絵本はたくさんあるし、そういう工夫をしている作り手さんのお話もよく聞きました。


この新旧絵本の違い。
に、どんな理由があるのかは知らないけれど、
きっと、いろいろ考えられたんやな…と思います。

それが「趣を生かしながら」という事なんでしょう。

そして、こんなふうに大切に復刊された絵本は幸せと思います。


その価値も意味もある絵本と思うし、
長さんってすごい!すごすぎる!とあらためて。



こんな絵本、
今は誰も作らないし、出さないだろな…。




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