「王と鳥」2006年08月17日

『熱風』 「特集 王と鳥」 スタジオジブリ 2006・7



「ゲド」か「王と鳥」かと聞かれて、
選んだのは「王と鳥」でした。

「ゲド」は、
ご存知スタジオジブリの最新作アニメ映画「ゲド戦記」。

「王と鳥」は、
“高畑勲・宮崎駿をアニメーションへと誘った
  アンデルセン原作”(『熱風』)の長編アニメ。

スタジオジブリから発行されている『熱風』(非売品)の
7月号の特集を見て、
この夏、見たい映画はこれかな…と思ったのでした。

上映は渋谷・シネマ・アンジェリカでのみ。

渋谷~!
道玄坂~?

う~ん。一人ではよういかへん…(=_=)

とチュウチョしておりましたが、
ありがたくも見る機会を得ることができました。

「王と鳥」は完成過程が複雑です。

監督 ポール・グリモー
脚本 ジャック・プレヴェール

“作者ふたりが未承認のまま公表されてしまった
  フランス初の長編アニメーション映画「やぶにらみの暴君」('52)
  の“作者完成番””(『熱風』)

タイトルも「王と鳥」と変え、1979年に完成。

その完成から27年もたったこの夏に、私は見たわけです。


作者がよしとしない作品が公開され、
それがフランスの権威ある映画賞を受賞。
それでもよしとしない監督があらためて「王と鳥」として発表したこの映画。

その経緯を知るだけで、
この作品にどれだけの思いが込められているのか、
たやすく想像できるところです。

そしてその、
映画を見る前に語られる「物語」が、
見るものの深読み意欲をかきたてているようにも思いました。

 
驚いたのは会場に小学生の姿もちらほらちらほらあったことです。

あなたたちはもう「ゲド」を見たんかね? と聞いてみたいと思いました。
「ポケモン」はどう?
「おさるのジョージ」も始まってるよ。

ほんものの王さまはどうしちゃったんかなぁ。
あの、水上バイク(?)のデザインにはやられちゃいましたね~。
羊飼いの娘と煙突掃除の青年はイチャイチャしすぎ!

深読み箇所はちらちらとありましたけれど、
それはたぶん作り手側の視点なのだろうと。

むしろ私のようなただの観客には、
深読みでなくツッコミ所が満載でした。

それにしても愛を語らないフランス語の響きって、新鮮。
…というか、
私の耳には心地よくなかったです…。

う~ん。
映画を語る言葉はやはり持ち合わせておりません、私。

「王と鳥」は9月4日まで。
機会のあるかたはぜひ!
王さまのお茶目で醜悪な姿は必見です。

次の映画は………未定ですじゃ。