チョムさんが チョムさんの チョムさんは2009年07月03日

地道に、
ノーム・チョムスキーの本を読んでいます。

 『メディア・コントロール』 鈴木主税/訳 集英社新書 2003
 『覇権か、生存か』 鈴木主税/訳 集英社新書 2004
 『お節介なアメリカ』 大塚まい/訳 ちくま新書 2007

そして、

 『チョムスキー、アメリカを叱る』 (写真) NTT出版
        デヴィッド・バーサミアン/インタヴュー 伊藤茂/訳 2008

原題は、

 『What We Say Goes』

「われわれの思い通りにことを運ぶ」

訳者あとがきには、
 “湾岸戦争の際に先代のブッシュ大統領が行った演説の中の一節であり、冷戦終結以降「唯一の超大国」となったアメリカの世界戦略のあり方を示したものである”
とあります。

そうなの、ね。 アメリカ。 

・・・・・。

 シラナイコトバカリ。で、なんとも、ねぇ。

これらの本はどれも、「知ってのとおり」的な文章の連続です。
でも、私はそんなことちっとも知らず。
で、理解不能な内容や文章に、視線を宙に漂わすことをくり返すのですが、それでも、我慢強く、放り投げずに読み続けていると、なんとなく見えてくるものがあります。

英語がわからなかった人が、ひたすら英語を聞いているうちに、ふと、理解できている自分に気づく。というような話を聞いたことがありますが、たぶん、そんな感じ。(私は英語も理解不能…ですが)

そして近頃は、これまで聞き流したり気にしなかったニュースが、目にとまり、耳にとまり、ココロにとまるようになりました。

例えば昨日の朝日新聞夕刊の、
 「タリバーン掃討開始 アフガン南部で米」
なんていう記事も、しっかり読む私がいるようになりました。

 “米中央軍は1日、(中略)海兵隊4千人を投入する大規模な作戦「剣の一撃」を開始した、と発表した”

「剣の一撃」だって…。
思わずカメ係にむかって、新聞記事を読み上げる私。
「この作戦、チョムさんはどう見るかしらねぇ」

チョムさん。

そう、我が家ではもう「チョムさん」で通っております。

「それって、チョムさんが言ってたことやん」
「チョムさんの本にはさぁ…」

でも、まだまだまだまだ、何がどうでこうで、とは語れません。

ただ、遠い世界で起きていて、私には何の関係もない。ということさえ思ってこなかった出来事が、そうではない。というふうに思えるようになってきています。
それは、日本の政治家の発言を聞き取る私の耳にも変化を起こしています。

『What We Say Goes』の中でチョムさんは言います。

 “活字であれ、インターネットであれ、何を探すべきかを知っていなければなりません。そのためには、歴史の知識、背景についての理解、メディアの機能はこの世界のフィルターであり、解説者であるといった認識が求められます”

はい。チョムさん。
知っていくのって、大事と思います。
知って、変わっていきます。