むむむな賢治2010年10月16日

田中清代さんの、
新刊絵本です。

 『気のいい火山弾』 宮沢賢治・作  田中清代・絵
               三起商行株式会社(ミキハウス) 2010/10 (写真)


宮澤賢治の絵本といえば、
私の中では、
小林敏也さんの「画本 宮澤賢治シリーズ」(パロル舎)が、
ダントツ!なのです。

が、

実は、
「ミキハウスの宮沢賢治絵本シリーズ」にも、
気になる賢治絵本がたくさんあり、注目していました。

そのシリーズの最新刊が『気のいい火山弾』です。


賢治絵本は、どうにも穏やかな気持ちで見ることができず、
どこか厳しい目でチェックする、というふうになってしまい、
この絵本も、そんな感じで、ちょっとドキドキしながら開きました。

が、

早々に、そういうチェック目線はどこへやら。

ページをめくるたびに、
むむむむ! と、うなり、
うわぁ~! やら、
おお! とか、
ココロが次々に叫んでしまいました。

すごい、です。

田中清代さんの、
ブキミアヤシナツカシカワイラシさ、いっぱいです。

原画ではなく、絵本の絵を見て、
こんなにココロがざわつくことってめったにありません。

賢治の物語を、
こんなふうに絵で表現するのだなぁと、
感心を超えて感動してしまいました。

すごい、なぁ。

ますます期待してしまいます!



ところで、
これまでも、ミキハウスのシリーズを見ながら、
賢治作品の捉え方、解釈、表現が、
新しい、次世代の時期にきていると感じていましたが、
そのことを、この絵本で再認識したように思います。

進化する賢治絵本。 ですね。

そうやって、賢治の物語が、
絶えず、次の世代に伝わっていくのだと思うと、
賢治もびっくり!

この絵本を見れば、
賢治もむむむとうなるのでは!