「わらべ歌うたかるた」木版原画展2010年10月01日

只今りとるでは、版画の展示をしています。
(写真は店先の案内)

 「わらべ歌うたかるた」木版原画展 村田美菜子
       ~10月9日(土) (水曜定休日)    


このところ、出不精で。
よっこらしょと出かける先は約束しているところばかり。
どうにも引きこもり気分が抜けず、
あれもこれも、おそらくそれも、
出かけずに終わってしまう展示ばかりで、
ごめんなさい。

でも、りとるの展示は見ました! 
というか、店番していました。

木版って、やっぱりいいです。

作品全体に漂う昭和な空気に、
なんでだか安堵する私がいました。

りとるの店内もほんわか、秋の装いとなり、
新しい絵本も入っています。

どうぞお気軽にお立ち寄りください。


この週末はりとるに通っています。

ぼうようと肥ゆる秋2010年10月05日

結局、月曜までりとるに通いました。

出不精ひきこもり時期だったのに、
4日も出かけてて、
その間に、
あちこちの金木犀が咲きだして、
秋が、
おまたせ~っとやってきました。
街中、甘い香りがしています。

我が家では半月ほど前、
私の背丈以上に伸びていたパキラの、
枝がしなって倒れてしまいました。

3本ある枝の、それぞれの先に密集していた葉の重さに耐え切れず、
3本まとめて紐でくくって壁に吊るすように留めていた押しピンも引っこ抜いて、
みんなして深くお辞儀をする格好になってしなだれ倒れたのです。

うわわわわ~と、あわてて枝を起こしている最中に、
1本の枝が折れてしまったのでした。

折れたのは根元から60cmのところ。
取れてしまった枝は1m近くもあり、
とりあえず花瓶に挿しておこうにも長すぎるので、半分ほど切り、
わっさわっさと葉のある枝は花瓶に確保。
残った棒状の枝は捨ててしまおうと思ったのだけど、
ふと思いついてまた半分に切り、
捨てずにとってあった空き瓶に水を入れて挿しておきました。

そのまま1週間たっても何の変化もありませんでしたが、
その後に新芽が出てきました!

まぁ、何という生命力。
そして今日、ひさびさにじっくり様子を見ましたら、
新芽がぐんぐん伸びていました。(写真)

葉のついている方も枝先に新芽が出ましたし、
折れて残した鉢植えの枝の途中にも、
1mmほどの小さな新芽を見つけました。


ばたばたと、
ばたついている間にも、
それぞれはそれぞれの時間を淡々と生き、
生きること、
生き続ける事に向かっていたようです。

金木犀は咲き、
折れたパキラは新芽を出し、

それで私は、、、、。

私は?



茫洋 亡羊 望洋。


心身ともにぼーよーと漂い、
そして過剰に肥えていることに気づくしまつ。 (V)o¥o(V)


恵比寿に行くたびビールが飲みたくなるのです2010年10月09日

恵比寿にあるギャラリー、
GALERIE Malle に、留守番仕事で通うようになって2年近くになります。
といっても、定期的に行っているのではなく、
ずいぶんたって、仕事を忘れた頃になってまた行くことばかりでしたので、
実際にはまだまだちっとも慣れていません。

展示も毎回違いますし、
当然、作家さんとも初対面ばかり。

それでなくても人の名前や顔を覚えるのが苦手なので、
慣れるどころか、
緊張せずにいることだってまだまだ…。

そんな状態なので、どうにかこうにか仕事がすんで、
JR恵比寿駅のホームで山手線の電車を待ち、
エビスビールのCM曲の発車音を聞くと、
ああ、ビールぅ………。
と、思います。

まだ元気があったころ、
というか、
疲れを感じる余裕さえなく、
解けない緊張をエネルギーに代えて動けていたころは、
帰宅とは逆回りの山手線に乗って有楽町まで行き、
仕事帰りです~と言って、
Gallery Bar Kajima のカウンターに座って、
駆けつけ一杯のビールを飲んだりしていました。

でもこの頃は、
恵比寿に通う頻度が増え、
疲れを疲れと自覚できるくらいになってきたので、
駅のホームでエビスビールの曲を聞きながら、
さっさと帰って缶ビールぅ………。
と、思います。

そんなところに先日、
恵比寿から銀座って、
地下鉄でも行けるしJRより早いよ!と教えてもらいました。

あら、そうなの?
それは一度試してみなければ…と思っているのですが、
昨日も一直線で帰宅してしまいました。

う~ん。
次回こそ!!


さて、その次回、になるか不明ですが、
この展示の作家さんとは2度目になります。

 Matsu★Bockrin  Private Exhibition
    松並良仁 個展  パンチラの箱
    10月19日(火)~10月24日(日)

前回はグループ展でお世話になりました。

今回は個展です。

私は、複数日の留守番仕事で、
長時間(フル)の予定もあり、で入ることになっています。

あいかわらず緊張するばかりです。
けど、
きっと楽しい展示だと思うので、
楽しみにもしております~p(>_<)q


さらに、次には、これまた楽しみな展示があります。

 羊からはじまる   
   羊時間   山本実紀
     10月26日(火)~10月31日(日)

ほかほか羊毛の靴下と出会ったのは2年前。
今回も出かけて行って、気に入った作品と出会えるのが楽しみです。

やがて来る冬を、ぬくぬくと、幸せに過ごしたいものですから…。

準備万端で厳しい寒さに耐えるのだ!
 寒いことたくさんの人生ゆえ、
  せめて季節の寒さにはぬくもりを………私にあげたい………。


みなさま(あたたかな人もそうでない人)も、ご都合よろしければ、ぜひ!

表紙は物語る2010年10月12日

岩瀬成子(いわせ じょうこ)さんは、
ずっと気になっている児童文学作家さんです。

絵本からYA(ヤングアダルト)文学まで、
幅広く多くの著作があり、
岩瀬成子・作 の本を見つけるたびに読んできました。

が、どの本がどんな物語だったか、
申し訳ないことにどうにも印象に残りません。
なので、他人に紹介したこともめったにありません…。

読んでいる最中は、
児童文学らしからぬ(と思える)、
物語、というか、
描写、というのか、
筆致、なのか、
に、ぐいぐいと引き込まれ、
読了後は、だいたい呆けた気分になります。

児童文学にありがちな、感情の起伏、熱さ、熱、みたいなものが、
ないわけではないのですが、
いつも、平熱、というか、常温、な感じがします。

それは、大なり小なりの出来事が、
どれだけ熱を帯びていたとしても、
あるいは、
どん底の底に落ちたときのように熱を失くした感情をもたらしたとしても、
その出来事自体は淡々と過ぎていき、
日常(人生)の中の一つのエピソードとしてやがて収束していく、
という現実を、
そのままに描かれているからではないかと、
ヒソカに感じているのですが。

ただ、それを「リアル」と言うのとは、ちょっと違うと思っています。

「リアルな子どもたちの物語」と謳われ、
(その時点での)現実を描いた児童文学はたくさんありますが、
そういうのではなくて、
もっと普遍的な、
どの時代の子どもたちにも共通するような、
出来事、というよりは、そこから生じる感情や思考が、
出来事の違いや展開の違いはあっても、
ああ、そうだ、
私もまたそのような子どもだったと感じさせられ、
幼くて嫌な子どもでませていて、
大人の世界を背伸びして垣間見て、
大人はいやだねぇ汚いねぇと思ったりした私を見つけたりするのです。

そんな岩瀬さんが描く、
平熱で常温な物語が癖になっているのかもしれません。


ところで先日、
岩瀬さんの新刊が今年の初めに出ているのを知りました。

 『オール・マイ・ラヴィング』 岩瀬成子 集英社 2010/1 (写真)

お好きな人ならすぐにわかるんでしょうね。
タイトルがビートルズの曲であることが。
そして、本の表紙を見れば、これまたすぐにわかります。
この本は、ビートルズに「(恋の)矢」を放たれた少女の物語だと。

表紙・装丁は和田誠さん。

実はこの本、図書館で検索すると一般文芸書の棚に蔵書ありとあったので、
児童文学ではないのか…と思って探したのですが、
本を手にとり表紙を見て納得しました。

そして私はビートルズが得意ではありません…。
ので、読み始めるのにややエネルギーが必要でした。

物語は、表紙の絵が物語っている通りです。

CDではなく、レコードを前に頬杖をついている少女。
これで時代もわかります。

ビートルズが日本にやって来た頃の、
ビートルズに恋し、焦がれ、孤独にあえぎながら、
大人の世界を覗いたり足を踏み入れたり戻ったりしている少女(中学生・14歳)の物語です。

当時の、熱い熱いビートルズ熱。
その熱を一身に受け止めた少女の日々が、
それでもやっぱり平熱な感じに読み取れるのは、
岩瀬さんの描写ならでは…と思いつつ読みました。
熱い熱は、少女をとりまく家族や友だちやご近所さんとの日々によって冷まされているようでした。

あの時代、一人の子どもの世界には、
限りのない大人や子どもの事情、状況、
そんなものをひっくるめた「世間」、といったものに満ちていました。

家族と学校、ときどき塾、しかないように描かれる、今の子どもの世界とは大きく違っています。
(携帯電話もありませんしね…)

そんな時代に思春期を向かえていた少女は、
抱え込んでいた熱を、最後に一気に放出させます。

その展開に驚きましたが、
でもそれが、この本が児童書ではない理由なのかも、と思って読了しました。



懐かしい、昭和な時代を堪能できる青春小説です。

昭和の物語…。

それも表紙を見てわかったので、
読み始めるのにエンヤコラ、でした。

昭和を懐かしむのも、苦手なんですよね…。


それにしても、和田誠さん。すごいです。

むむむな賢治2010年10月16日

田中清代さんの、
新刊絵本です。

 『気のいい火山弾』 宮沢賢治・作  田中清代・絵
               三起商行株式会社(ミキハウス) 2010/10 (写真)


宮澤賢治の絵本といえば、
私の中では、
小林敏也さんの「画本 宮澤賢治シリーズ」(パロル舎)が、
ダントツ!なのです。

が、

実は、
「ミキハウスの宮沢賢治絵本シリーズ」にも、
気になる賢治絵本がたくさんあり、注目していました。

そのシリーズの最新刊が『気のいい火山弾』です。


賢治絵本は、どうにも穏やかな気持ちで見ることができず、
どこか厳しい目でチェックする、というふうになってしまい、
この絵本も、そんな感じで、ちょっとドキドキしながら開きました。

が、

早々に、そういうチェック目線はどこへやら。

ページをめくるたびに、
むむむむ! と、うなり、
うわぁ~! やら、
おお! とか、
ココロが次々に叫んでしまいました。

すごい、です。

田中清代さんの、
ブキミアヤシナツカシカワイラシさ、いっぱいです。

原画ではなく、絵本の絵を見て、
こんなにココロがざわつくことってめったにありません。

賢治の物語を、
こんなふうに絵で表現するのだなぁと、
感心を超えて感動してしまいました。

すごい、なぁ。

ますます期待してしまいます!



ところで、
これまでも、ミキハウスのシリーズを見ながら、
賢治作品の捉え方、解釈、表現が、
新しい、次世代の時期にきていると感じていましたが、
そのことを、この絵本で再認識したように思います。

進化する賢治絵本。 ですね。

そうやって、賢治の物語が、
絶えず、次の世代に伝わっていくのだと思うと、
賢治もびっくり!

この絵本を見れば、
賢治もむむむとうなるのでは!